富士フィルム写真工業製のレンジファインダー式カメラです．同じフィルムメーカー小西六の大ヒット作コニカＣ３５（ジャーニーコニカ）に対抗して作ったそうで，大きさや重さはほぼ同一です．ただしボディの形はユニークで，前からも上から見ても８角形をしています！　目測式カメラでは距離合わせに迷うことがありますが，本機のように距離計で測れるとピントを外すことが少なくなります．３群４枚のフジノン３８ｍｍレンズはネット上では「派手」とか「鮮やか」に写るという評価を多く目にします．何本か撮りましたが，逆光にも強く良く写るカメラです．本機は十年ほど前に近所のカメラ屋さんで購入したものですが，除湿庫整理のため放出します． 【外観】吊り金具部分や底蓋に軽微なスレの他は，上カバー，底部ともに凹みや酷い傷は無く，全体的に綺麗な部類に入ると思います．貼り革の欠けや破れはありません．電池室内も綺麗です（画像６下）． 【ファインダー】経年の細かいチリの混入は少しありますが，覗いた感じはクリアで気持よく見えます（画像８）．撮影フレームは固定ですが，高級な採光式ブライトフレームを採用しています．距離計二重像も黄色くクッキリしていて距離合わせは楽に行えます．測距（最短０.９ｍ〜∞）もほぼ合っています． 【レンズ】前面から目視ではクリアで抜けています（画像７）．目を凝らして見るとごく微小なチリなどがありますが．写りにはまったく影響しないレベルです． 【動作】本機はプログラムオートになります．電池を入れて明るい方や暗い方に向けると，精度は不明ですが絞りとシャッタースピードが変化します．暗いところでは画像６上のように赤ランプが点灯し続けて注意を促します（ファインダ内でも確認可）．ピントリングも適度な重さですが巻上の軽さは特筆ものです．フィルムを入れて試写した結果を９，１０枚目に載せてあります．モルトも張替え済みで光線漏れなどはありません．セルフタイマーも動作ＯＫ，ホットシューおよびシンクロ接点でのストロボ発光も確認済みです． 　フジカ＆フジノンファンの方！良く写るレンジファインダー式フィルムカメラを実用に如何でしょうか？ ※電池はＬＲ４４ｘ２個でも代用できます（スペーサと長さ調整が必要）． ※１９７３年発売だそうです．ひと通り動作確認していますが，神経質な方はご遠慮ください．